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朝日新聞、ようやくウィキリークスによる米公電の無編集公開を非難&提携の内幕をちょっとだけ暴露

f:id:mame-tanuki:20110915000745p:image:medium:right
 今朝の朝日新聞で、久々にウィキリークス関連の特集記事が。

 この記事のポイントは記事の末尾。そこに国際報道エディター・中村史郎氏による朝日新聞の立場説明が書かれている。

■「公電のすべての情報が公開されることには賛同できません」

 9月2日にウィキリークスが米国公電を無編集のまま全面公開した事について、多くのマスメディアは批判的な論調でこれを報じた。昨年11月末から開始された米国公電暴露の当初からウィキリークスと提携していた欧米メディア5紙は共同声明を発表しウィキリークスを批判した。

 一方で、今年の5月からウィキリークスと提携した朝日新聞 は、この半月の間、ウィキリークスに対する態度を明らかにしていなかった。

 その朝日新聞が、ようやくはっきりと自らの意見を表明したわけだ。


WLは「完全な透明性こそが民主主義を保障する」と唱えますが、保護されるべき情報について配慮されないまま、公電のすべての情報が公開されることには賛同できません。

●asahi.com(朝日新聞社):ウィキリークス全公電公開に波紋 欧米紙「擁護できず」 - 国際

http://www.asahi.com/international/update/0922/TKY201109210728.html

■「公表する際は該当箇所を削除するよう提案」

 またこの記事にはもう一箇所、読みどころがある。


個人の生命、安全を危険にさらす恐れがあると判断した情報は掲載を見送りました。同時にWLに対しても文書を公表する際は該当箇所を削除するよう提案、WLも削除に応じた上でサイトに掲載しました。朝日新聞が報道で取り上げた公電については、現在のWLのサイトでも該当箇所が削除されたまま掲載されています。

●asahi.com(朝日新聞社):ウィキリークス全公電公開に波紋 欧米紙「擁護できず」 - 国際

http://www.asahi.com/international/update/0922/TKY201109210728.html

 朝日新聞は、ウィキリークスから資料を受け取るだけでなく、ウィキリークスに対してウィキリークスがサイトで公開する公電のどの箇所を墨塗り編集すべきか提案していたわけだ。
 このように朝日新聞がウィキリークスに協力している可能性については、5月の時点で既に指摘されてきた。それがようやく公式に認められたわけだ。

■「1月に、担当記者が英国でUSBメモリを受け取りました」

 また、この記事とは別に、朝日新聞がウィキリークスからどのような形で米国公電ファイルを受け取ったのか、その一端がTwitter上で明かされた。











mametanuki
まめ狸

@asahi_kokusai 今朝の朝日新聞の国際面にウィキリークス騒動の検証記事が掲載されましたが、ところで、御紙がウィキリークスからファイルの提供を受けた際、そのファイルのパスワードは、ガーディアン紙が内幕本で掲載したものと同じだったのでしょうか? #wl_jp
(2011/09/22 07:41:56)
link

 当然の如く、私の突然の質問は無視された。しかし、もちろん私のツイートに反応したわけではないだろうが、次のようなツイートが流れた。

















asahi_kokusai
朝日新聞 国際報道

リンク先にもありますが、朝日新聞は、WLから提供された日本がらみの公電約7千本(1月に、担当記者が英国でUSBメモリを受け取りました)を報道する際、個人の生命や安全を脅かすおそれがあると判断した情報は掲載を見送りました。 http://t.co/8RiH8bsV
(2011/09/22 08:35:45)
link



mametanuki
まめ狸

ウィキリークスから受け取ったのは例の"cable.csv"とは別ものかぁ>「朝日新聞は、WLから提供された日本がらみの公電約7千本(1月に、担当記者が英国でUSBメモリを受け取りました)」 #wl_jp / “Twitter / @a…” http://t.co/5YswGm7T
(2011/09/22 08:42:03)
link

 英ガーディアン紙の場合は、リークされた未編集の米国公電全てを含んだギガサイズの巨大ファイル"cable.csv"が暗号化された形でウィキリークスから提供された。そしてそれが何故かオンライン上に流出。しかもガーディアンの記者が内幕本にて、その暗号化ファイルのパスワードを誇らしげに公開してしまっていた!こうしてウィキリークスが制御できない状態で未編集の米国公電がネット上にリークされ、拡散してしまった。この事態に開き直ったウィキリークスは、自らのサイトでも未編集の米国公電を公開するに至った。

 このウィキリークスがリークされた醜態については、関係者が責任のなすりつけをしている。もし、ウィキリークスが朝日新聞に提供したファイルも、ガーディアン紙に提供された暗号化ファイルと全く同じであれば、「パスワードは一時的なものと説明された」と語るガーディアン記者の言い訳は少なくとも事実誤認であるし、一方でウィキリークス側も同じ暗号化ファイルを使いまわすというセキュリティー上の過失が明らかになる…という展開を期待して質問ツイートを投げたのだが、残念ながら朝日新聞が受け取ったファイルはガーディアンのそれとは違ったようだ。

 それにしてもやはり先日書いたようにウィキリークは、その暴露行為の是非のみがマスメディアで刺激的に取り上げられる一方で、暴露した資料の中身についてはあまり注目されないまま騒動は終息し、世間から忘れ去られそうな予感。


【関連本】パスワードをリークしてしまったガーディアン本

ウィキリークス WikiLeaks  アサンジの戦争

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  • 作者: 『ガーディアン』特命取材チーム,デヴィッド・リー,ルーク・ハーディング,月沢李歌子,島田楓子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/02/15
  • メディア: 単行本
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