そっとチラ裏@はてなブログ

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「松岡正剛の千夜千冊」で『銃・病原菌・鉄』が

 「松岡正剛の千夜千冊」で、『銃・病原菌・鉄』が「ゼロ年代の50冊」に選ばれた件について言及。手厳しい。


 ところで本書については、ごく最近になって朝日新聞が「ゼロ年代の50冊」(2000〜2009の図書対象)を選んだ企画で、なんとベスト1になったと報道されていて、驚いた。

 たしかにベスト1に輝くだけの名著ではあるが、ゼロ年代の読者やインテリたちにとってどのように映ったのか、いささか訝しい。というのも、その他のベスト49には、この手の本がほとんど一冊も入っていないからだ。たとえばダイアモンドの本書に10年後に文句をつけたグレゴリー・クラークの『10万年の世界経済史』(日経BP社)や、ジョヴァンニ・アリギの『長い20世紀』(作品社)、サスキア・サッセンの『グローバル・シティ』(筑摩書房)、ナヤン・チャンダの『人類5万年のドラマ』(NTT出版)、ジャック・アタリ(764夜)の『21世紀の歴史』(作品社)、エマニュエル・トッド(1335夜)の『移民の運命』(藤原書店)などの類書が、一顧だにされていない。これでは、本書をタイトルだけで感心した程度なのではないかと疑われても仕方がない。まあ、どうでもいいことだけれど。

●ISIS本座 - 『銃・病原菌・鉄』ジャレド・ダイアモンド 松岡正剛の千夜千冊

http://www.honza.jp/senya/1/matsuoka_seigow/1361

■グレゴリー・クラーク『10万年の世界経済史』

10万年の世界経済史 上

10万年の世界経済史 上


10万年の世界経済史 下

10万年の世界経済史 下

【追記】

2010/05/10、「松岡正剛の千夜千冊」でレビューが。


最初に言っておくが、本書の邦題はいささかインチキくさい。グレゴリー・クラークは10万年ぶんの経済史なんて書いていない。

 主題は「世界はなぜ不均衡に発展したのか」ということで、その主たる理由は1800年以前と1800年以降をくらべてみれば、しだいに見えてくるだろうとということを書いた。そのうえで、前夜(1361夜)にとりあげたジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』(草思社)が、やはり「世界はなぜ不均衡に発展したのか」を問うて、1500年を文明の入れ替わりの境界線としていたのに対して、クラークは1800年を境界線において経済発展の不均衡の理由を論じたのだ。

■ジョヴァンニ・アリギ『長い20世紀――資本、権力、そして現代の系譜』

長い20世紀――資本、権力、そして現代の系譜

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■サスキア・サッセン『グローバル・シティ』

グローバル・シティ―ニューヨーク・ロンドン・東京から世界を読む

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  • 作者: サスキアサッセン,Saskia Sassen,伊豫谷登士翁,大井由紀,高橋華生子
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